2008年04月

2008年04月28日

『シチリアのライム』
無事終了致しました

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終演後、ザムザの前で。
共演したと村松恭子さん(左)、大橋芳枝さん(右)と一緒に。

***
村松恭子さんは私が芝居を始めたばかりの頃、劇団の先輩でした。昔も今もとても好きな女優さんです。いろいろ言い尽くせぬ濃い思い出がたくさんあります。その後、別々の場所で活動していましたが、時が経って、今回の舞台に誘って頂きご一緒できたことがとても嬉しく、感慨深く、芝居を続けてきてよかったなと思えるのでした。

大橋芳枝さんは今回初めてご一緒させて頂きました。普段はたいへん可愛らしい方で、休憩時間も楽しいお話をたくさん聞かせて頂いたのですが、衣裳を着けてメーキャップを施し、舞台に立った瞬間から顔つきが変わり、眼の色まで違って見えて、同じ舞台に立っていながらゾクゾクとなりました。

今回の役では、立ち居振る舞いや言い慣れぬ長台詞などがなかなか身に沁み込まず、苦労もありましたが、本番中、共演者の方々やお客さまから「熱」を頂き、なんとか最後まで務めることができました。ありがとうございました。時を経て巡り会う人、始めて出会う人、知っているのに意外な面を見せてくれる人・・・素敵な出会いを求めてまた彷徨います。阿佐ヶ谷の町は新緑!

(00:10)

2008年04月21日

リラックス~~
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4月になり急にあわただしくなり、お世話になった方の芝居にも行かず申し訳なく思っています。時間がないと考えるのではなくその時間とどう折り合いをつけていけるのかと、自分に言い聞かせています。けれど相棒の芝居だけは観に行かねばと雨の中自転車を走らせていると、灰色の景色の中つつじが花開き始め、その鮮やかな色調に目を奪われました。 

昨年、やはり雨の中観世榮夫さんのお葬式に行く途中、自転車のタイヤが滑り転倒し、両膝から流れる血をただ呆然と見つめ声を失くしていると、「大丈夫ですか?」と年配の女性に声をかけられ、ふと我にかえり「大丈夫です」と顔をあげた瞬間、紫陽花の紫が急に目に飛び込んできて、その紫だけが今でも目に焼きついています。あれからもうすぐ一年。毎年紫陽花が咲く頃には、可愛がっていただいた観世さんのことを思いだすことでしょう。時の経過を季節の花が思いださせてくれます。

どんな舞台も生で発見があります。昨日は暗い観客席で、人の演技を観ながら自分の演技に問いかけるいい時間を与えていただきました。そして久しぶりに以前からの知り合いにも会い、日韓交流韓国居酒屋というお店で、おいしいものを食べ、話に花開きました。

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私は今、一年前観世さんのお葬式で一緒に受付をした観世流能楽師柴田稔さんに稽古をつけていただいています。柴田さんは覚えてもいないでしょうけれど。あの時は、まさかこのような事態になるなどと思いもしませんでした。人生って不思議です。そして昨年実現できなかった、能「隅田川」を柴田さん監修により今年6月に実現いたします。この身にあまる大役に本当に真摯に取り組みたいと思っています。番組の詳細などは、5月になりましたらまたご案内させていただきます。とり急ぎ日程は下記となります。春といえども温度差のはげしい毎日です。皆さんもどうぞご自愛のほどを。でもたまにこうして、かつて時間を共有した仲間と飲みリラックスしなくてはと、しみじみ思いました。ひとりでアロマの香りに酔いしれるだけがリラックスの手立てではないですね。人の優しさに救われます。なんだか、ありがとう~。

*********

能「隅田川」

日程:6月29日(日)
時間:午後2時-
場所:銕仙会能楽研修所 港区南青山4-21-29  
   TEL 03-3401-2285 
   地下鉄表参道駅下車
  (銀座線・千代田線・半蔵門線)A4出口より徒歩3分

監修:観世流能楽師 柴田稔

出演:望月道治、篠本賢一、江幡洋子、坂本容志枝、相沢恭子、
   日下範子、前田真里衣、吉村桂充、サビン・シタドレィ

☆入場無料

初めて面をつけ、シテ(能楽における主役)母親役に挑みます。狂女物の中で最も悲劇的な作品、特殊な曲趣を醸し出す、大作です。亡き観世榮夫さんに引き継いで、柴田稔さんの元、今年実現です!

※ 時間は、仕舞などの関係でずれ込む可能性があります。
  詳細は5月以降の当ブログにてご覧ください。

(10:27)

2008年04月14日

本公演は終了しました。
見に来て下さったみなさま、ありがとうございました。


バラ 吉村恵美子 次回公演のご案内です!

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勝田演劇事務所プロデュースNo.17/ザムザ阿佐谷提携公演

シチリアのライム ~ピランデッロ一幕劇集2~

作/ルイージ・ピランデッロ
訳・演出/勝田安彦

日時   4月16日(水) 19時  
       17日(木) 19時 
       18日(金) 14時 
       19日(土) 14時・19時 
       20日(日) 14時 
   
場所  ザムザ阿佐谷(JR阿佐ヶ谷北口徒歩3分)

料金  一般 ?3500 学生 ?2500

出演  大橋芳枝 中原和宏 村松恭子 吉村恵美子 
    内田龍磨 澤純子 中島忍 高杉勇次 
    出沼朋美 増本絵美

   

現代の演劇に多大な影響を与え、ノーベル文学賞も受賞したイタリアの劇作家ルイージ・ピランデッロ。この20世紀演劇の巨人の一幕劇を、本邦初のものを含め、三本立てで上演します。

シチリアの荒涼とした大地、取り戻せない時間・・・作品に漂う絶望感は、生活苦、妻の発狂死など度重なる苦難に遭遇したピランデッロ自身を表しているようにも思えます。絶望の淵にいる人間を救うのではなく、突き放すような終結は作家の魂、叫びなのでしょうか。

私は「シチリアのライム」と「もう一人の息子」の二本に出演します。ずっしりとしたテーマですが、人生の一瞬をさらりと、そして逞しく演じられたらと、翻訳劇の難しさともたたかいながら日々稽古しております。生きていくこと、人を思うこと・・・なにかを感じていただけたらと思います。ぜひお運び下さい。お待ちしております。



(01:14)

2008年04月13日

『シチリアのライム』
いよいよ16日(水)初日です!


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本番直前、衣装を着けて通し稽古。一筋縄ではいかないピランデッロの台詞に苦戦しつつも、芝居は日に日に熱を帯び、シチリアの光と影が立ち現れつつあります。そんななか4月12日は、演出の勝田さんのお誕生日。稽古場でささやかなパーティーを催しました。新劇、小劇場、世代も様々なメンバーですが、芝居は丁々発止、休憩中は和気あいあいとやっております。
***

葉桜になっても、また寒さが戻り。闇の中から、救いようのない世界から、生まれ出る言葉。アゴタ・クリストフしかり、ピランデッロしかり。知らず知らず、楽な生き方を選んでいる我が身を省みる。自分が起こすアクション、それに対する相手からのリアクション。ぶつかり合うことは楽ではないけど、そこから生まれるものはきっと。

間もなく初日、ぜひ見にいらしてください!

(23:14)

2008年04月06日

春、混沌

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ZORAふたり、東京新聞の記者堀内浩一郎さんのお誘いを受けてお花見へ行ってきました。九段下の駅を降りるとまだ少し肌寒く、靖国神社の茶屋でワンカップの熱燗をあおった後、ライトアップされた千鳥が淵へ。夜空の下の桜のトンネルはどこまでも続き、堀の水面に枝が垂れ、対岸にも深い桜の森。見上げると、暗い天上を覆い尽くす花弁は恐ろしいほどに美しく、現世を離れしばし幽玄の世界を彷徨いました。

満開の桜の木の下は恐ろしいと坂口安吾は書いています。桜が美しいのは木の下に死体が埋まっているから、と空想したのは梶井基次郎。「美しい」は「恐ろしい」と似ているのかもしれません。

桜に、爛漫の春に、暗さを感じてしまうという発想、わかる気がします。木の芽時に精神の変調をきたすというのも納得がいくような。なんだか、ざわざわとした気分になるのですね。

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そんな折、今回の芝居の原作者ピランデッロの短編を集めた映画「カオス・シチリア物語」のDVD鑑賞会を演出家の勝田さんが企画してくださり、稽古後、勝田邸にお邪魔して、出演者全員でテレビを囲んで見ました。

ピランデッロの作品もまた、人間の暗部、闇を映し出します。シチリアの大地、突き抜ける青空を、カラスが横切るというただそれだけの風景に、なぜだか深い闇を感じとってしまいます。

印象に残ったのは、エピローグ、疲れ果て故郷を訪れたピランデッロが、亡くなった母親の幻想に会うシーンで母親が語る言葉です。「見えなくなった者の目で物を見なさい。辛いだろうけど、全てがずっと神聖に、美しくなる」

「カオス」とは、ピランデッロの生まれた村の名前であり“混沌”の意味を持ちます。その土地で、自分の場所で生きるしかない人々。絶望から、喪失から這い上がる力を持つ人間の強さ。そんな、ピランデッロのメッセージを今回の芝居で現せたらと思う夜でした。

(21:02)