2007年12月

2007年12月31日

流れ星 一年の終わりに

今年もあともう少しで終わりです。今年の初めには予想もつかなかったことや、思いがけない出来事もありましたが、こうして元気に、平和に新年を迎えられること幸せに感じます。

今年ZORAを見に来て下さった方々、応援して下さった方々、関わって下さったすべての皆さま、本当にありがとうございました。来年もよろしくお願い致します。

あたたかく、良い新年をお迎え下さい。

(19:12)

2007年12月23日

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恋唄

年の終わりに宮内勝さんの写真を掲載いたします。今年の夏、【横須賀市制100周年記念】泉鏡花「草迷宮」の公演を、逗子、正行院にて出演してきました。この公演の舞台写真を宮内勝さんがお撮りになっています。宮内さんとは劇団時代からの長いおつきあいです。今年の猛暑、湘南の海と秋谷の山に囲まれた自然の中で、民宿に泊まりご一緒しました。この時の舞台写真を最近見ることができて、幻想的で一昔前の日本の風情が呼び起こされ、なんとも穏やかな気持ちになり、年の終わりに是非皆さんにも見ていただきたいと思いました。私は〈うさぎちゃん〉もやっております。視野が限られて一歩前へ足を踏み出すだけでもドキドキします。床の肌触り、相手との距離の歩数だけを頼りに。

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色々な演劇があってしかりですが、高いお金を払ってがっかりするものもあります。一日働いて、自分で稼いだお金で芝居を観る。やはりいいものを観たい。私はこれまで自分が楽しいから演劇をやってきました。例えば「草迷宮」では、姥という役を通して泉鏡花が放つ日本語の美しさ、長文を語るという挑戦。またうさぎの仮面を被ることでのからだの集中度の違い。ZORA「カノン」ではいかに現代の闇と対峙し、お客様の懐にふっと溶け込む語り口を持てるか。これからもきっとさまざまな楽しみは増えるでしょう。けれどこの秋の「カノン」で、私は溜飲が下がりました。沢山の方に笑っていただいた時、とてもとてもしあわせだったのです。お客様に楽しんでいただけることが、自分の力を何倍にもしてくれる。私がZORAに取り組む際に足りなかったのは、エンターティメント性、いかにお客様に喜んでいただけるかということをもっともっと考えること。

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目を輝かし演劇をはじめたはずなのに、人間関係に疲れてしまったり生活が重くのしかかってきたりで、消極的にならざるをえない時期もありました。でも亡き観世榮夫さんが70には70の初心があるとおっしゃられたように、私も好きな演劇に又恋をし、惚れ直したい。

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忘年会が続いて睡眠時間がどんどん短縮されて、まだ昨日の酒で火照るからだを抱え乗り込む満員電車。耳には昨夜のカラオケで聞いた中島みゆきの「地上の星」が鳴り響いています。年内には浅田次郎の「蒼穹の昴」を読破しようと文庫本を開く。ふと、物事の道理は全て繋がっているのだなと実感します。そしてまたホームに押し出され冷たい風を真っ向に受けるのですが全然寒くないのです。からだの奥底で何かが燃えています。情熱?酒?そしてこの時期、夜になるとこの無宗教の国に美しいネオンが瞬きます。でも私は電気代を使わず自家発電します。冬にも色彩あでやかなあの椿のように。ここで一句「月光と共に満ちたり寒椿」(俳句:森村誠一)。今年もあと1週間!皆さんもおからだを大切に、よい年を迎えてください。メリークリスマス!!

(23:46)

2007年12月17日

南へ

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寒い東京を脱出し、南国、沖縄へ行って来ました。かねてより一度は訪れてみたいと憧れていた地です。齢78歳になる父を誘ってみたところ意外にも「行きたい、行きたい」と大乗り気、思いがけず二人旅となりました。旅日程の天気予報は全日「雨」。姪がてるてる坊主を作ってくれました。願いは届くか?

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願いむなしく、2泊3日ずっと雨(一時暴風雨!)。・・・でしたが、それはそれで後々印象に残るでありましょう。青い空と海は臨めませんでしたが、それでも沖縄は美しく、優しく、充分に魅力的な島でした。琉球村で三線(さんしん)を体験をしたり、美ら海(ちゅらうみ)水族館で巨大なジンベイザメに遭遇したり!

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ひめゆりの塔の資料館で、亡くなった女学生の写真を父はいつまでも見つめていました。16歳でなくなった少女は昭和4年生まれ。生きていれば父と同い年でした。

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(07:07)

2007年12月09日

『カノン』写真館 

  撮影 芝田裕之 (1枚目から9枚目まで) 

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終演後の一枚。左上は照明の高良康成さんです。


(13:54)

2007年12月03日

冬に咲く花

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芝居はいつだって何もないところから徐々に積み上げていくもので、その完成に至る過程が大変ながらも楽しいものなのですが、今回ほどその過程の厳しさを痛感したことはありませんでした。これまでオリジナル作品の時は、作・演出 ZORA として二人で一緒にやってきましたが、今回は作品への責任をより強くもつための試練として、作・演出にそれぞれの名を掲げました。

新しいノートを開き「カノン」とタイトルを書きました。二人の女のかけあい、輪唱のイメージから名づけたのですが、かなり漠然としたものでした。坂本の「カノンアレルギー」はつゆ知らず。設定は病院とし、医者と患者のエチュードを繰り返し、徐々に構想は膨らんできたものの、なかなか形のあるものにならず、焦り始めました。さらに私は医者役、しかも精神科医。不得意と思われる役柄を敢えて選んだのですが、やればやるほど深みにはまっていくようで。坂本や下総さんがいろいろアドバイスをくれて、頭では納得しても、体に通らない。初日を前にして、自分が書いた台詞なのに、なんだか遠い、実体のないものに思えて、混乱していました。どうしようもなさをどうしようもないまま初日を迎えました。そのどうしようもなさが、生の私であり、私の演じた医者でした。

初日の後、お客さまからの言葉は、私の思いとは関係なく、実に様々でした。「ZORAの新しい一歩になったね」と言ってくださった方がいて、何より嬉しく元気づけられました。二日目は、患者である坂本の顔がよく見えて、氷が溶けていくようにいろいろなことがよくわかって、とても自由になることができました。

公演を終えて、私の「カノン」は、母へのオマージュ・・・反発もしたけど結局は繰り返してしまう、私から母への追想。時の流れ、追いかけてもつかまえられない、届かない気持ちが縦軸。そして一緒にやってる坂本との追走(追いかけたり追いかけられたり)が横軸。そんなものだったのかな、と思います。そこに色彩を与えてくれたのは、下総さんです。私が妄想した「男」に息を吹き込み、温かい血を通わせてくれて、私はますます好きになりましたが、がさつな女はタイプではないらしく、早々に振られました。

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終演後の拍手、たくさんの方から「いい作品だった」と言って頂いたこと、本当に嬉しかったです。ZORAは来年、またこの季節に公演をします。凛として美しくありたいと思っています。一年に一度、冬に咲く花のように。

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