2006年10月

2006年10月30日

『九つの不気味な物語』を終えて

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岩井さやか・吉村・出沼朋美

公演の終わりというのはいつも呆気ない。毎日ほとんど一緒に過ごして舞台を作り上げていた人たちと明日からはもうばらばら。打ち上げの喧噪の中で無性に寂しくなり皆にちゃんとごあいさつもせずに席を立ちました。この場を借りて・・・本当にお世話になりました。ありがとう。

劇団での芝居をずっとやってきたけれども、状況や意識の変化もあって、ZORAを始めた。そしたら世界が広がった、確かに。今回のように違うカンパニーに出演する機会も出来て、なによりの収穫はやはり「出会い」なのです。
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中島忍氏と…

★今回の公演中に体験した不思議な話。
無事初日の幕が開き、皆とお酒を飲んでの帰り道。阿佐ヶ谷から中央線に乗り、お茶の水で乗り換えるのだが、どうやら寝過ごしてしまい、戻りの電車をまた乗り過ごしてしまい、そうこうしているうちに終電もなくなった。すごく酔っていたわけでも眠かったわけでもないのに、気がつくと通りすぎている。私は中野駅で途方に暮れていた。タクシーで帰る気力もお金もなく、どこかに泊まろうと思ったが、こういう場合どこに行ったらいいものか見当がつかない。試しに目の前の交番で「どこか泊まれるところはありませんか?」と訪ねてみると「ではここへお行きなさい」と地図を渡してくれた。10分ほど歩き住宅街に入った頃薄青い光の看板を見つけ、中へ入った。「今から泊まれますか?」と尋ねると蝶ネクタイをしたフロントマンは言った。「申し訳ございません。本日は満室でございます。ですが、本来客室ではない、予備のお部屋が一室ございますのでそちらで良ければ」もちろん泊まることにした。その部屋は地下と一階の間の、薄暗い廊下の突きあたりにあり「707」という札がかかっていた。(つづく)

(07:23)

2006年10月16日

本公演は終了しました。
見に来て下さったみなさま、ありがとうございました。

     
バラ 吉村恵美子 次回公演のご案内です!

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勝田演劇事務所 ザムザ阿佐谷提携公演

九つの不気味な物語 ~欧米怪談集~

構成・脚色・演出/勝田安彦

日時  10月18日(水) 19時  
       19日(木) 19時 
       20日(金) 19時 
       21日(土) 14時  /19時 
       22日(日) 14時 
   
場所  ザムザ阿佐谷(JR阿佐ヶ谷北口徒歩3分)

料金  一般 ?3500 学生 ?2500

出演  中原和宏 磯貝誠 中島忍 原昇 早川真知 勝田安彦
    吉村恵美子 水野ゆふ 岩井さやか 出沼朋美 増本絵美
   (楽士)少路健介 麻生麦

昨年に続き、勝田演劇事務所の公演に出演することになりました。欧米の怪談の中から選りすぐった怖い話。怪奇と幻想のホラー・オムニバス。皆様を不思議な世界へお連れいたします。



(22:31)
勝田演劇事務所公演『九つの不気味な物語』
いよいよ今週の水曜日からです。

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今回のお芝居の見どころのひとつは、何と言っても多彩な役者陣!元状況劇場の中原和宏さん、木山事務所から水野ゆふさん、磯貝誠さん、元新宿梁山泊の中島忍さん、原昇さん、元劇団四季の早川真知さん、報道記者から女優に転身した岩井さやかさんなどなど、個性的な面々が異種格闘技のごとく揃い踏み。もちろん演出家の勝田安彦氏も出演します。また、ゴールデン街の謎のバイオリニスト麻生麦さんと少路健介さんの生演奏もお楽しみ頂けます。秋の夜長にゆったりと鑑賞して頂きたい作品に仕上がりました。どうぞ、ザムザ阿佐谷に足をお運びください。

詳細は上記参照ください↑ 
チケット予約は当ブログコメント欄からどうぞ↓


(00:18)

2006年10月09日

濃くワイン

【おかしいわ、セックスなしに終わるはじめての夏。去年だって確か何人か男がいたはず、でもそれからは全然、秋の間も冬の間もなし、そんなことこれまでなかった。私はひとりでいた、そしてひとりでも悲しくなかった、そして少しずつ重要でもなくなった。それとも関心がなくなったのかもう分からないけれど。そして少しずつ、考え方自体消えてしまって、私はあきらめたのにちがいない。姉さんが馬鹿なことは、始めからわかっていた。自分が何を求めているかわかっていない奴は、石ころになればいいのよ。さよなら姉さん、人生は短いのよ、しっかり生きなきゃ。でもわたしはひとりでは事を起こすことはできなかった。相棒が必要だったの。これで一生暮らすには充分な蓄えができたわ。お金は裏切らない。相も変わらずわたし達を縛り付ける男たちから世界から逃れて、自由に生きるためにはお金が必要だったの。】

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このモノローグはZORA第2回公演「誤解ドロップ」のために、フランスの作家ジャン=リュック・ラガルスの戯曲「私は家の中で雨が来るのを待っていた。」を引用しながら、私が書いたものです。今読んでも私のなかで触れてくるものがあります。あの頃とは私も変わりつつありますが、そのかすかに触れてくるものを腹にためて、言葉を紡ぎだせたらと思っています。来年のZORA公演、濃厚な赤ワインとなって皆様のテーブルに幅広のグラスに注ぎお持ちします。お楽しみに。

(13:46)

2006年10月02日

彼岸花

朝起きると空気が変わっている。
久しぶりに庭へ出で、空を仰ぐ。素足に冷気を感じる。
唐突に、雑草の中に唐突に赤い花が一輪咲いている。

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幽霊の出てくるお芝居の稽古をしています。欧米の九つの怪談集の中から、わたしは四つのお話に登場します。「あの世」と「この世」の考え方は、東洋と西洋ではだいぶ違いますが、忌み嫌うものというだけでなく、近くにあって寄り添っているもの、互いに交流するもの、という捉え方には共通のものがあるように思います。どれも死者に寄せる深い想いから発したという点で同じなのかもしれません。

そんな折、ユーロスペースのレイトショーで『饗宴』という映画を見ました。肉体の繋がりを持てなくなった夫婦の物語で、この作品もまた魂の交歓を描いています。えげつなさと紙一重の表現から出てくるのは、人間の情と欲の深さの滑稽さ、愛おしさ、そして力強さ。「この世」では逃れられない情欲の素晴らしさを思い起こさせてくれた快作(怪作)でした。渋谷の雑踏に浮かぶ月を見上げながら、生きてるものと、生きてるものよりずっとたくさんの死んだものたちに想いを馳せました。

重松清著作「愛妻日記」の映画化で、2作品ずつ計6作品を上映するシリーズ。現在上映中です。
「愛妻日記」オフィシャルサイトはこちら

(17:11)