サカモト
2010年05月15日
ダルクの森
鈴木一功さん率いる、レクラム舎の公演「ダルクの森」を観劇してきました。一功さんとは以前に共演したことがありましたが、それ以来、あまりお会いすることもありませんでした。けれど最近、テレビの時代劇に悪者役で出演している一功さんを拝見しては、勝手に昔の友達を見るような懐かしい気持ちを感じ、そしてかつらが似合うな~などと思っていました。
けれど今回、たぶん15年以上ぶりにレクラム舎の芝居を見まして、ああ、がんばっているなと、こちらまでうれしくなりました。芝居に出演されている役者さんたちも、皆、ほのぼのと素敵でした。それは、作・演出も手がけた一功さんの人間を見るあたたかい目、そして女性を見る目に、リアリティがある。ダルク(薬物依存症のリハビリセンター)という重い題材を抱えながらも、人間がいとおしく思え、見ながら「カッコーの巣の上で」の舞台版を思いだしたり、本物の亀が登場し、その歩みに思わず笑ったり、大人になるって気取らないことなんだよな、なんて思ったり。
気持ちのいい方との宴会にも花が咲き、世田谷線に揺られ、ほろ酔いで帰宅。
ZORAの本も、あともう少し。ハナミヅキが散り、つつじが満開、そしてバラも満開になる。自然が与えた色彩の美しさに心奪われるひととき。この短い春をもっと満喫しよう。
ダルク http://www.yakkaren.com/zenkoku.html
レクラム舎 http://www.d5.dion.ne.jp/~ichiwaka/img/darc.jpg

2010年05月04日
海は広いな大きいな~♪
千葉県房総半島の最南端、白浜に行って参りました。快晴。海ほたるで休憩し、東京湾アクアラインで海を眺めながら、車を飛ばし、館山街道。たどり着いた白浜には、雄大な太平洋のパノラマが展開しています。そしてかろやかな潮風。夜になると、白い野島崎灯台のサーチライトが海面を照らし、とても美しい。
4月中は部屋にいる事が多かったので、目の前に広がる海を見た瞬間、胸に広がる開放感と共に、心がどんどん洗われていきました。日常を離れて、大自然の中に放り出されると、こっちの方が自然なのになあなどと思います。これからは一つの公演が終わったら、海を見に、見知らぬ街に出かけ、自分をリセットするのもいいですね。
肉離れをした足は、少しずつ回復に向かっていますが、まだスポーツは禁止。ZORAの今年の本も決まらず。私のデスクトップには、棚上げ状態のものがまだ他にもある。でもひとつひとつ削除していく快感に向かって、また明日からてくてくとやっていきます。これからは新緑の季節。いい空気をたくさん吸い、新しい出会いにときめきたいと思う今日この頃です。
2010年04月18日
タカラモノ
家の前の川沿いは、菜の花の黄色で覆い尽くされている。桜は散ってしまったけれど、菜の花の開花は息が長い。黄色という明るさがなんだか眩しい。肉離れをしてから、ずっと部屋にいることが多いせいなのか、大好きなスポーツもできず、もうひとつ明るい気持ちになれないでいる。
けれど、わるいことばかりでもない。ゆっくり時間を費やし、人のことを考えるゆとりができた。そしてこんな時間があることさえ、忘れていた。本棚を整理する、過去の本はもう読まないのに、なんだか並べている。昔の自分をいつまでも慈しんでいるようで、急に全て捨ててしまいたい衝動に駆られる。以前、弘前劇場で観た「アザミ」という作品は、衝撃的だった。本(観念)の存在が、現実の愛や嫉妬の前では無に等しく、人間のどうにもならない思いというものが、強烈に突き刺さってきた。
そして今月中には、ZORA公演の作品を絞らなければならないと、本をひらくが、どうも活字がからだにはいってこない。勉強不足で戯曲を沢山読んでいないということもあるけれど、いつのまにか確実に時代が変わり、一昔前までの女のドラマが、ドラマとして成立せず白けてしまうのだ。この問題は、以前からも私たちにはあって、自分たちで書いてみたりもしたけれど、やはり餅屋は餅屋。時を経ても化石のように生き残り続けている本を捜索しなければならない。そしてそれを斬新に料理する演出家と手を組む。タカラモノを探して、当分、本を捲る日々が続きそうです。
2010年04月04日
時間の芸術
芝居といえどもいろいろなタイプ・質感があり、最近わたしが観客として思うのは、文字からちゃんと逸脱して役者が台詞を発していればOKなんです。本に甘えただ喋っているだけの役者を見ることぐらいつまらないことはありません。とはいえ、本はもちろん大切で、本選びで芝居の半分は決まってしまうかもしれません。ある有名な役者さんは、本が悪いなら俺が芝居を面白くさせてやると豪語しておりましたが、それも一理ありますが、皆で創っているものには、ひとりがどんなに長けていても限界があります。
芝居は、私はよく総合芸術だと昔は語っていましたが、今では時間の芸術と考えるようになりました。好きなときに美術書や本をめくれるものではなく、お客様に、その日どんな天候であれ、お金と足を運んでいただき、小屋に閉じ込め、時間を共有させる。小屋を出る際には、何らかのカタルシスを確実に味わっていただくためのマジック。芝居が始まり、10分、20分、1時間と時間が経っていく。飽きさせないマジックも必要ですが、タイムマシーンのように時間を遡れる、また未来にも飛翔できる感覚。暗闇のなかで空間が飛ぶ瞬間。同一に秒針を刻むことだけが時間ではない。

今回、芝居を終え、さまざまなことを感じました。自分がこれからやるべきことが明確になった気がします。けれど千秋楽で足を痛めてしまい、あまりの悔しさにバランスを崩しました。4月の予定は急回転。でも物は考えようです。動けない4月を利用して、今年のZORA公演の本をじっくり選ぼうと思います。5月になって走れるようになったら、思いっきり汗を流したい。
今回は中目黒という足の遠い場所まで、来てくださった方に本当に感謝いたします。これからも精進し、いいものを創っていきたいと思っています。ありがとうございました。

