2010年04月18日

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菜の花3  
 タカラモノ 

家の前の川沿いは、菜の花の黄色で覆い尽くされている。桜は散ってしまったけれど、菜の花の開花は息が長い。黄色という明るさがなんだか眩しい。肉離れをしてから、ずっと部屋にいることが多いせいなのか、大好きなスポーツもできず、もうひとつ明るい気持ちになれないでいる。
 

けれど、わるいことばかりでもない。ゆっくり時間を費やし、人のことを考えるゆとりができた。そしてこんな時間があることさえ、忘れていた。本棚を整理する、過去の本はもう読まないのに、なんだか並べている。昔の自分をいつまでも慈しんでいるようで、急に全て捨ててしまいたい衝動に駆られる。以前、弘前劇場で観た「アザミ」という作品は、衝撃的だった。本(観念)の存在が、現実の愛や嫉妬の前では無に等しく、人間のどうにもならない思いというものが、強烈に突き刺さってきた。

そして今月中には、ZORA公演の作品を絞らなければならないと、本をひらくが、どうも活字がからだにはいってこない。勉強不足で戯曲を沢山読んでいないということもあるけれど、いつのまにか確実に時代が変わり、一昔前までの女のドラマが、ドラマとして成立せず白けてしまうのだ。この問題は、以前からも私たちにはあって、自分たちで書いてみたりもしたけれど、やはり餅屋は餅屋。時を経ても化石のように生き残り続けている本を捜索しなければならない。そしてそれを斬新に料理する演出家と手を組む。タカラモノを探して、当分、本を捲る日々が続きそうです。



(22:04)

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