2010年04月
2010年04月25日
輝く新緑の街で
寒暖の激しい4月。桜散り雪が舞う4月。
それでも、ようやく新緑が輝く季節を迎えました。
そんな気持ちのよい休日、ZORA二人で仙川のカフェ「ニワコヤ」へ。
この店の主は、劇団時代の同期で友人の笠原氏。先日数年ぶりに会い、あらためてお店を訪ねました。
お互いにこれからやろうとしている芝居のことや、近況報告、情報交換・・・昔の仲間というものは、時を経ても心が通じ話が尽きません。
お手製のアンティパストをいただきながらワインを飲んでいると、遠い日に訪れた東欧の国のことなどが思い出され、『ZORAで欧州公演をするのだ!』という長年の思いをあらためて強くしました。地道に芝居を創る作業とともに、必要なものは、直感、冒険心、瞬発力!!

「ニワコヤ」は笠原氏とご家族のあたたかさが伝わりとても居心地の良い空間です。ごはんもとってもおいしい!お料理教室や読書会など楽しい企画も開催しているそうなので、みなさまもぜひ足をお運びくださいませ
ニワコヤHP ⇒ http://www.niwa-coya.com/
2010年04月18日
タカラモノ
家の前の川沿いは、菜の花の黄色で覆い尽くされている。桜は散ってしまったけれど、菜の花の開花は息が長い。黄色という明るさがなんだか眩しい。肉離れをしてから、ずっと部屋にいることが多いせいなのか、大好きなスポーツもできず、もうひとつ明るい気持ちになれないでいる。
けれど、わるいことばかりでもない。ゆっくり時間を費やし、人のことを考えるゆとりができた。そしてこんな時間があることさえ、忘れていた。本棚を整理する、過去の本はもう読まないのに、なんだか並べている。昔の自分をいつまでも慈しんでいるようで、急に全て捨ててしまいたい衝動に駆られる。以前、弘前劇場で観た「アザミ」という作品は、衝撃的だった。本(観念)の存在が、現実の愛や嫉妬の前では無に等しく、人間のどうにもならない思いというものが、強烈に突き刺さってきた。
そして今月中には、ZORA公演の作品を絞らなければならないと、本をひらくが、どうも活字がからだにはいってこない。勉強不足で戯曲を沢山読んでいないということもあるけれど、いつのまにか確実に時代が変わり、一昔前までの女のドラマが、ドラマとして成立せず白けてしまうのだ。この問題は、以前からも私たちにはあって、自分たちで書いてみたりもしたけれど、やはり餅屋は餅屋。時を経ても化石のように生き残り続けている本を捜索しなければならない。そしてそれを斬新に料理する演出家と手を組む。タカラモノを探して、当分、本を捲る日々が続きそうです。
2010年04月12日

「かもねぎショット公演『舞踏会へ向かう三人の農夫と妻』-プロローグのシーンより-」(撮影=伊藤雅章)
前列中央に居るのがわれわれです。
3月31日で芝居が終わった。
昨年の12月の公演から休む間もなく動き続けた。おじいさんを演じ、お母さんを演じ、芝居は終わったが、今は、保険の事務員とデパート販売員をくるくる演じ、相変わらず休む暇なし。さて、「ZORA」です。そろそろ次のこと。4月、桜満開。「女」を演じたく思う、漠然と。
10年目の新学期、新しい教科書はまだ白紙。不安と開放感と武者震い。これから本を探し、場所を探し、構想を練り、たくさん話し合い、算盤もはじき、やることは山ほど、楽しみも山ほど。
何かを始めるとき、そこには何もない。まず、一冊の本とわれわれ。それから声を掛けて人が増え、いろいろなアイデアや才能や技術を持ち寄って舞台を作り、あとはひたすら稽古して本番を迎える。芝居は時間もお金もかかる。でも終わればそれっきり。建てたセットを壊わし人々は解散する。何も残らない。それっきり、なんて贅沢で潔いんでしょ。
今の自分は昔の自分のなれの果て。刹那主義が加速する。4月は心がざわつきます。
2010年04月04日
時間の芸術
芝居といえどもいろいろなタイプ・質感があり、最近わたしが観客として思うのは、文字からちゃんと逸脱して役者が台詞を発していればOKなんです。本に甘えただ喋っているだけの役者を見ることぐらいつまらないことはありません。とはいえ、本はもちろん大切で、本選びで芝居の半分は決まってしまうかもしれません。ある有名な役者さんは、本が悪いなら俺が芝居を面白くさせてやると豪語しておりましたが、それも一理ありますが、皆で創っているものには、ひとりがどんなに長けていても限界があります。
芝居は、私はよく総合芸術だと昔は語っていましたが、今では時間の芸術と考えるようになりました。好きなときに美術書や本をめくれるものではなく、お客様に、その日どんな天候であれ、お金と足を運んでいただき、小屋に閉じ込め、時間を共有させる。小屋を出る際には、何らかのカタルシスを確実に味わっていただくためのマジック。芝居が始まり、10分、20分、1時間と時間が経っていく。飽きさせないマジックも必要ですが、タイムマシーンのように時間を遡れる、また未来にも飛翔できる感覚。暗闇のなかで空間が飛ぶ瞬間。同一に秒針を刻むことだけが時間ではない。

今回、芝居を終え、さまざまなことを感じました。自分がこれからやるべきことが明確になった気がします。けれど千秋楽で足を痛めてしまい、あまりの悔しさにバランスを崩しました。4月の予定は急回転。でも物は考えようです。動けない4月を利用して、今年のZORA公演の本をじっくり選ぼうと思います。5月になって走れるようになったら、思いっきり汗を流したい。
今回は中目黒という足の遠い場所まで、来てくださった方に本当に感謝いたします。これからも精進し、いいものを創っていきたいと思っています。ありがとうございました。